『風まかせ』の気球で競技できるのか?誰もが抱く疑問ですが、風が主役だからこそ気球の競技が面白く、奥が深いのです。
  同じ条件の自然環境の中で、競技者がいかに風を読み、ゴ−ルにたどり着くか。穏やかな風は、高さや地形によって、様々な方向に向いているのです。つまり、風と言う自然条件を正確に把握できるかどうかと言う知的な面と、正確にその風に乗れるかと言う飛行技術の両面が、勝敗を左右するのです。と言っても、たくさんの気球が同時に飛行するだけで、十分に楽しいものです。
 熱気球では競技のことを「タスク」と言い、約15種類ほどあります。その日の競技は、天候や風を判断した上で、フライト直前に決定されます。
  競技の基本的なル−ルは、長さ10m幅1mの布2枚を十字に組み合わせて地面に設定したタ−ゲットめがけて、マ−カ−と呼ばれるリボンのついた砂袋を投げて争います。もちろん、タ−ゲットに近いほど高得点となります。
  代表的な競技について、それぞれの概略ル−ルを示しますので、参考にして下さい。

熱気球の競技

うさぎ狩り/Hare and Hounds
熱気球では、非常にポピュラ−な競技です。ヘアとは「うさぎ」、ハウンドは「猟犬」の意味です。競技はまず、競技委員が操縦するヘア気球が離陸。その後約10〜15分後に残りの競技気球(猟犬)が次々に離陸し、先行するヘア気球を追かけます。しばらくしてヘア気球は直陸し、気球の近くにタ−ゲットを設定します。競技気球はこのタ−ゲットを目指して飛行士、タ−ゲットめがけてマ−カ−を投下します。(左の図)
エルボ−/Elbow(ELB)
エルボ−とは「ひじ」の意味。競技気球は離陸して一定の距離を飛行した後、マ−カ−を投下します。この後、今までの進行方向をぐるりと変えて飛行します。つまり、どれだけ異なった風にのって飛行できるかを競うタスクです。
ジャッジデクレアゴ−ル/(JDG)
競技開始直後に、競技委員長が特定のゴ−ルを発表し、競技気球はスタ−ト合図後同じ場所から、このゴ−ルを目指して飛んで行きます。タ−ゲットの最も近くにマ−カ−を落としたチ−ムが1位というゲ−ムです。(右の図)
ヘジテ−ションワルツ/(HW)
JDGと同類の競技です。競技委員長の発表するゴ−ルが複数(2〜3箇所)あるもので、競技気球は、どのゴ−ルを選択してもよく、この場合、順位はそれぞれのマ−カ−と一番近いタ−ゲットまでの距離によって争そわれます。
パイロットデクレアゴ−ル/(PDG)
競技者(パイロット)が、離陸前に自らゴ−ルを宣言して、自分の宣言したゴ−ルに近づいてマ−カ−を投下するもので、風向、風速、地図が読めないと勝負にならないゲ−ムです。
フライイン/Fly in
競技委員がゴ−ル地点を1個所差定めます。競技気球はゴ−ルから一定距離以上離れていれば、どこから離陸してもかまいません。各気球は、風向などを見て自分でスタ−ト地点を決めます。大会本部のある場所をゴ−ルにするのが一般的です。(左の図)
ミニマムディスタンス
気球は同じ場所から離陸し、一定時間(例えば30分)飛行後マ−カ−を投下しますが、マ−カ−投下地点と離陸地点の距離が最小のチ−ムが1位となります。
マキシマムディスタンス
同じ場所から離陸します。指定された地図上の範囲内で、気球は自由に飛行し、一定時間内にマ−カ−を投下します。マ−カ−投下地点と離陸地点との距離が最も大きい気球が1位となります。