岡山県には、活火山がないことを除けば,古生代から新生代までのいろいろな時代の地層や各種の火成岩、変成岩類がきわめて豊富に分布している。
そこで、それぞれの露頭を観察し、実際に岩石をたたいて、簡単な調査結果を掲載していきたい。
①勝田層群と古生界との不整合面(鏡野町小座)
不整合面上部の礫岩層
礫岩直径Avr5~10mm,円~亜円礫,礫はalmost硅化した砂岩
④勝田層群の化石 ビカリヤ(奈義町柿,高梁市有漢)
勝田層群からはたくさんの化石が産出します。なかでもビカリヤは、その形状や保存状態から広く魅了している化石です。
奈義町柿は、ビカリヤの模式地でもある「植月」の近くにあり、豊富な産状で有名でした。その鶏舎跡を「奈義ビカリヤミュージアム」として整備し、採集体験もできる施設です。
写真は、私が1時間の体験採集した成果です。
高梁市有漢は、岡山高速道建設に併せて、旧有漢町が整備した常山公園建設の際、大量のビカリヤをはじめとする化石が採集できる層に遭遇しました。
多くの人々採集したようですが、公園完成によって、採集は不可能に。今はその公園も閑散としています。そして、その大切さを認識してか、どうか、地層観察ができる施設を作りましたが、今は見るも無惨な状態になっています。(草が密生して、地層があることも分かりません)
⑤勝田層群を貫入する玄武岩ドーム(鏡野町円宗寺)
鏡野町円宗寺には、大野の整合という砂泥互層の地層が観察できるいいポイントがあります。しかし、そこは、葛根が繁茂してしまっています。国の補助金を使って一部改良しましたがこれもまた時間の問題でしょう。この三紀層に貫入した玄武岩ドームが、二つの「男山」「女山」ができています。「女山」の頂上には、その産状がよく分かる露頭があります。(この玄武岩を石材にして眼下の河川改修をした歴史があるようです。)また、頂上からは、香々美川による河岸段丘の様子も観察できます。
99番外編
①上町断層
アベノハルカスが開業し、地上300mに展望台「ハルカス300」からの眺望が楽しめます。
そこから「上町断層」がよくわかるとのことで、早速行ってみました。
天王寺公園の北側一心寺付近からまっすぐに林地が北に続いて断層であることがわかります。ここを境に西側(画面左側)が一段低くなっています。
※上町断層帯とは:大阪府北部の豊中市から大阪市内の上町台地の西の端を通り、大阪府南部の岸和田市にまで続く。長さは約40キロメートルになる。断層の東側が西側に乗り上げることで、千里丘陵や上町台地を形作った。
一つの断層ではなく、大阪府北部の豊中市から吹田市までは佛念寺山断層(ぶつねんじやまだんそう)と呼ばれる。その南の大阪市内の上町断層の本体を経て、さらに南の長居断層(ながいだんそう)、大阪市を南にぬけて、和泉市や岸和田市にかけての坂本断層(さかもとだんそう)、久米田池断層(くめだいけだんそう)と続く。このほかにも平行して、いくつかの派生した褶曲があり、すべてをあわせて上町断層帯とも呼ぶ。
②殿ダム(鳥取市殿)
大学の卒論のフィールドに「殿ダム」ができていました。30数年ぶりに出かけてみました。すっかり変わった風景にびっくりです。地質図におとすのに苦労した地点だったことを思い出しました。